夜の旅人 小説・冤罪痴漢の復讐

夜の旅人―小説・冤罪痴漢の復讐

 2004年に出版された『夜の旅人 小説・冤罪痴漢の復讐』です。サブタイトルに“セミドキュメンタリー”と銘打ってあるので、実際の痴漢冤罪事件を扱っているのかと思ったら、実在の痴漢冤罪事件を取材して、
“それを元に書いた小説 ┐('~`;)┌”
だそうです。

 まぁ、出版される本のタイトルは、出版社の編集者が命名するケースも珍しくないので、この本も作者がタイトルを決定したとは限りません。そういう意味でタイトルに難癖をつけるのは控えますが、作者をはじめこの本の編集に携わった人々が刑訴法(刑事訴訟法)に関して、無知で勉強しようとも思っていなかった事は明白で、本文からあとがきにいたるまで、
“「勾留」と書くべきところが、全て「拘留」になっている (-_-;)b”
のです。


↓ 「勾留」と「拘留」の違いは、このBlog内でも書き垂れてある。V(-¥-)Vの本もゲラ段階で間違えて「拘留」になっていた箇所を編集者のIさんが指摘&修正してくれた。つまり今回紹介している本は、製作時に作者から編集者まで出版に関わった全ての人間が、ちょっと調べればすぐわかる「勾留」と「拘留」の違いを知らないまま本を出しているのである。
In a jail cell
In a jail cell / m01229


 この時点で、すでに冤罪小説として価値がない事がわかりますが、さらに言えば主人公が冤罪の罪を着せられ、頑強に否認を続けた挙句、心が折れて冤罪を認めてしまい、略式起訴で釈放されるまでの話は、最初の第1章…つまり
“30ページくらいで終了 (;゜Д゜)”
してしまっています。

 その後の大部分は何が書かれているかというと、T大卒の(自称)エリートサラリーマンが、会社をクビなった後に辿る社会復帰…というか、自分のアイデンティティを取り戻す話になっているわけです。
 この本は、Amazonに1件だけレビューが掲載されていますが、その評価は結構的を射ています。


↓ 以前紹介したこの本みたいに、VS痴漢冤罪という内容で全編が描かれているわけではない…というか、痴漢事件は最初の導入部だけである。
左手の証明―記者が追いかけた痴漢冤罪事件868日の真実 (Nanaブックス)

 この本の主人公に共感できる人はあまり居ないでしょう。一流大学を出て一流企業に入社し、そこで出世を目指すというのが、主人公にとっての唯一“輝かしい人生”のようで、主人公にとって中小企業のサラリーマンなど、“裏街道”なのです。
「てめぇ~!ホントの裏街道がどんなモノか教えてやろうか?! ヽ(`Д´)ノ」

と思ってしまうのは、半分リアル裏街道に足を突っ込んでいるV(-¥-)Vならでは感想です。

 しかしこの主人公の“上から目線”な価値観によって綴られる物語は、あまり気分の良いものではないでしょう。オチも在りがちなパターンですし、そこまで辿りつく過程は逆にご都合主義だったります。
 痴漢冤罪と名のつくモノなら、何でも読んでみたい人でなければ、お勧めできる本ではありませんが、トンデモ本としては楽しめる…かもしれません。
=完=

↓ まぁ、エリートサラリーマンの転落小説として読めば面白いかもしれないが、主人公の持つ極端なエリート意識が我慢できるかどうかが問題である。
Revtank Outtakes
Revtank Outtakes / MiiiSH


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『弁護士のくず』③

弁護士のくず (3) (ビッグコミックス)

 2006年に出版された『弁護士のくず③』です。 『弁護士のくず』は2003年からビックコミックオリジナルに連載され2014年に誌上では完結しましたが、単行本は途中〝大人の事情〟でリセットされ、『弁護士のくず』として10巻、以降は『弁護士の九頭 第二審』として連載されていたわけです。
 そして2006年の春ドラマとしてTBS系でドラマ化もされましたので、ご存知の方も多いかもしれません。


↓ 『弁護士のくず』単行本全10巻。別にこの最終話で大きなドラマがあって完結したわけではない。
弁護士のくず 全10巻完結 セット (ビッグコミックス)
↓ 『弁護士の九頭 第二審』。調べてみると著作権にまつわるゴタゴタがあって、リブート連載したらしい。新キャラは出ているが、物語そのものが変わったわけではないし、前作に収録されなかった話も載っているらしい(V(-¥-)Vはこのあたりの事情を知らない)。
弁護士のくず 第二審 9 (ビッグコミックス)
↓ ドラマになった『弁護士のくず』のDVD。キャラの性格や性別は原作漫画とは違う。
弁護士のくず [レンタル落ち] (全6巻) [マーケットプレイス DVDセット商品]

 この漫画はタイトルからも判るとおり、主人公は弁護士ですので、当然裁判がネタになります。しかも主人公は民事も刑事も扱う法律事務所のイソ弁なので、物語の1エピソードとして痴漢事件が登場します。問題の痴漢冤罪エピソードは、『弁護士のくず』の方の3巻に
〝魔の電車〟…_φ(・・ )b
という判りやすいタイトルで収録されています。


↓ タイトルは『魔の電車』。痴漢冤罪を扱ったエピソードとして、実にわかりやすい(画像はイメージ)。
The fastest and beyond - Enoshima Electric Railway
The fastest and beyond - Enoshima Electric Railway / Takashi(aes256)


 痴漢事件に巻き込まれた男の弁護を引き受けたわけですが、被害者の女性がどうも冤罪を仕掛けたう疑いがある一方、被疑者として捕まった男も、
〝否認はしてるけど、ホントはやっているっぽい…( ̄~ ̄;)〟
という事件です。


↓ TVドラマ版『弁護士のくず』第6話は、この原作漫画の『魔の電車』をベースにした話である。
弁護士のくず 3[レンタル落ち]

 この漫画、基本的には人間の欲望丸出しのブラックコメディですので、他人事として読めば結構笑えるのでしょう。まだ映画『それでもボクはやってない』が公開前ながら、〝沖田事件〟が国賠訴訟としてマスコミに騒がれていた頃に描かれた作品ですので、当時の雰囲気が出ている作品です。
=完=


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『痴漢に間違われたらこうなります!』

痴漢に間違われたらこうなります!

 2014年に出版された『痴漢に間違われたらこうなります!』です。
 出版後3ヶ月以上経ってのセルフレビューというわけで、この駄文を読んでいる方の大半はすでに読んでいるかもしれません。

 痴漢冤罪本といえば、ほとんどの本が
・実際に痴漢冤罪に巻き込まれた人の体験記
法曹界あるいは法律家といった〝業界人〟が書いた司法の問題を指摘した本
という2パターンに分類されますが、この本はそのどちらでもありません。


↓ 体験談系痴漢冤罪本『お父さんはやってない』。
お父さんはやってない
↓ 業界人系痴漢冤罪本『痴漢冤罪の恐怖―「疑わしきは有罪」なのか? 』
痴漢冤罪の恐怖―「疑わしきは有罪」なのか? (生活人新書)

 まぁ、強いて言えば
刑訴法ヲタが、取材して書いた痴漢冤罪事件の傾向と対策…_φ(・・ )b〟
と言えるでしょう。

 この企画が持ち上がった時、V(-¥-)Vが考えた本の構成は、
・もし痴漢冤罪に巻き込まれたら、どうやって裁かれてしまうのか?
現行法とリアル司法の中で、痴漢冤罪から逃れる方法とはどんなモノか?
というふたつで行こうと考えました。


↓ 本書は痴漢に間違われちゃった場合、どうなるのか?痴漢冤罪から逃れるために出来ることは何か?という2点がテーマになっている。ちなみにマジで痴漢したけど捕まらない方法…という解説はしていないし、それを期待して読んでも無駄である。理由は…読めばわかる(画像はイメージ)。
Ginza in the Summer
Ginza in the Summer / Danny Choo


 その結果、前半は読者が仮に痴漢冤罪に巻き込まれてしまった場合、どんな手続きが待っているのか疑似体験してもらおうというシミュレーションの『第1部』と、現行法やリアル司法が冤罪を生み出す構造をこき下ろし、その現状の中で痴漢冤罪から逃れる方法を解説した『第2部』という構成になっています。

 第1部は、この本の監修を担当してくださった、弁護士の坂根真也先生に、
「実際の実務そのもの」
という評価を頂いたくらい、まさにリアル刑事手続きをシミュレートされているわけで、捕まる前から警察や検察の手口がわかってしまうと思っていいでしょう。


↓ 監修を担当してくださった弁護士、坂根真也先生の素性を知りたいのであれば、お勧めなのがこの本。公判に著者である北尾トロ氏と坂根先生の対談か掲載されている。
傍聴弁護人から異議あり!

 またその反面、第1部が長くて
痴漢冤罪から逃れる方法が知りたいのに、なかなか知りたい情報が出てこない ('A`)」
というネット上のレビューもありました。
 まぁ、ココでぶっちゃけてしまえば、痴漢冤罪から逃れる方法だけを知りたければ、第2部から読んでもらっても、おそらく問題はないと思います。


↓ ネット上に上がっているブックレビューには、「知りたい内容がなかなか出てこなくてイライラした」というモノもあった(画像はイメージ)
読書中
読書中 / HIRAOKA,Yasunobu


 もっとも、痴漢事件で捕まった場合、どんな刑事手続きが待っているかをすでに知識として知っている事が前提で、「略式裁判(または「略式手続き」)」とか「勾留」、あるいは「起訴」といった用語を言葉だけでなく、内容まで把握していない方は、面倒でも最初から読まれた方が良いでしょう。

 さらに痴漢冤罪から逃れる解決策はひとつではありません。自分のプライドを賭けて、国家権力ととことん戦うか、家族や仕事など自分が守るべきモノのために、いち早く日常生活を取り戻す努力をするかは、読む人によって結論が違うと思います。この本はそのどちらかを選んだ場合のメリットとデメリットも解説していますので、是非参考にしてみてください。


↓ 痴漢に間違われちゃったらどう対応するか? その答えはひとつではない。本書ではパターン別にその答えを出来るだけ紹介している…はずである(画像はイメージ)。
痴漢男 スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]

 ただし…この本は実際に痴漢冤罪に巻き込まれる前に読むのを前提にしています。
〝捕まってからブタ箱で読んでも手遅れ ┐('~`;)┌〟

ですので、ご購読はシャバにいるうちにどうぞ。
=続く=
【このネタを初めから読む】

↓ この本はあくまで紹介しているのは〝予防法〟である。ホントに逮捕されてから、慌てて留置場の中でこの本を読んでもほとんど手遅れで、ブタ箱の中で事態を好転させるために出来る事はあんまりない事がわかる。
痴漢に間違われたらこうなります!

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ネットで一時期流行った痴漢冤罪漫画

 痴漢ネタ系のBBSに一時期よく貼られていた痴漢冤罪漫画です。
但し、元ネタがわかりません

 一応、ウィキペディアより、読み見やすいけど大嘘も山ほど書いてあるサイト、『アンサイクロペディア』
〝この人痴漢です!〟…_φ(・・ )b
のページに、下記画像がまるまる掲載されています。

 気晴らしに痴漢冤罪を仕立てる性悪女が辿る末路ともいえますが、続きがある話なのか(あるとしても、なんかホラー漫画っぽい)、ネット職人の仕事なのか、誰かご存知の方がいれば、ご連絡ください。
=完=


Chikanenzai2.jpg

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逮捕されたらこうなります!

逮捕されたらこうなります!

 2013年に出版された『逮捕されたらこうなります!』です。このBolgのオススメ本である『痴漢に間違われたらこうなります!』の前作にあたる本になります。

↓ この本の前編にあたるのが、今回紹介する本。話としてはほとんど独立しているので、別々に呼んでもそれなりに役に立つが、両方読むに越したことはない。
痴漢に間違われたらこうなります!

 痴漢事件に限らず、
〝もし刑事事件に巻き込まれてしまったら? Σ(゚ロ゚;)〟
というシチュエーションで、逮捕されたらどんな刑事手続きが行われるのかを、留置場生活を中心に紹介されています。
 逮捕された後、手錠を掛けられた被疑者(容疑者)は、どんな手続きで留置場にブチ込まれるのか? あるいはどんな手口で警察の取調べは行われるか?など、ドラマや映画ではあまり紹介されない〝警察署の裏側〟がわかるわけです。


↓ どっかの国の留置場。逮捕された被疑者は、警察署内でどんな手続きで留置場に入れられ、取調べを受けるのか?そうした実情を紹介した本というのは意外に少ない。
IMG_1156
IMG_1156 / ianpatterson99

↓ 前にも紹介した映画『それでもボクはやってない』。逮捕後の刑事手続きをビジュアルで擬似体験したいのであれば、最高の一作である。東京都内在住であれば、留置場から東京地検、そして裁判所までまさに〝本物ソックリ〟のセットが組まれている。
それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

 ただ基本的に
〝冤罪でパクられた ('A`)〟
というスタンスで話を進めていますので、実際に犯罪を犯したにも関わらず、罪を逃れる方法を考えている方には何の役にも立ちません
 この本が出版されて1年近く経ちますが、筆者が予想していたより反響があったのは、
〝弁護士の探し方…_φ(・・ )b〟
でした。


↓ こんな弁護士は滅多にいないと思うが、刑事弁護で頼りになる弁護士を、短時間で探す方法というのは結構難しい。しかも刑事事件はどんどん手続きが進んでしまうので、弁護士探しはまさに〝時間との戦い〟でもある。
リーガルハイ 2ndシーズン 完全版 Blu-ray BOX

 まぁ、一般人にとって刑事事件の弁護士を探す、なんて事は滅多にない…筈なんですが、実際には東京都内では毎日150件程度の刑事事件被疑者が、東京地検に送られている事実をみれば、いつかは
自分、もしくは家族や友人知人が警察にパクられる ( ̄□ ̄;)!!〟
という事も絵空事ではないでしょう。


↓ 東京都内で警察署から検察庁に送検される被疑者の数は、毎日150名程度(休日などだと80人くらいになる事もある)で、これを年間で通算したらエラい数の人間が刑事事件に巻き込まれているわけである。その中に冤罪がどれほど含まれているかは不明だが、現在のリアル警察の無能ぶりからすれば、おそらくこの駄文を読んでいるアナタが思っている以上に多いはずである。そして冤罪事件に巻き込まれるのが、アナタの家族や友人知人、そしてアナタ自身である確率も、けっしてゼロではない…(画像はイメージ)
Police arrest Aryan Guard supporter
Police arrest Aryan Guard supporter / thivierr


 この本に書かれている知識が〝ホントに役に立ってしまう〟という事態は、出来れば一生ない事を祈りますが、法律に関する知識シミュレーションとして、または刑事モノのドラマや映画の不自然な設定をツッコむ資料としても参考に出来るでしょう。
=完=


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